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肩関節学会40年史

第8回肩関節研究会の思い出

会長
安達長夫

 第8会肩関節研究会は昭和56年10月3日広島市の広島県医師会館で開催された。
 発表演題は43題で、症例報告が11題、基礎研究4題、習慣性脱臼と動揺肩6題が報告された。当時、不安定肩の名称や定義はなかった。習慣性前方脱臼に対する治療はBristow変法が広く行われていたが、この会ではBoytchev変法が発表された。
 肩腱板に関する報告が31題でこのなかにはrotator interval損傷の病態と治療が報告された。腱板損傷の確定診断には肩関節造影法が主になされていたが、関節造影下のCT検査や関節鏡検査の報告がされ始め診断や治療に有用な情報が得られるとのことであった。また、腱板滑液包面断裂には肩峰下滑液包造影で診断が容易であると報告された。
 最後に腱板損傷に対する手術治療についてパネルディスカッション(?)が髙岸直人教授の司会のもと8名の演者によって行われた。
 一般的にはMcLaughlin法によって修復術が行われるが、広範囲断裂で本法による修復困難な症例にはFascial Patch法、Debeyre法、僧帽筋移行術、三角筋移行術、人工腱板移植を行うなどの報告がなされた。活発な質疑応答がなされた後、無事に研究会は終了した。
 研究会終了後、会員懇親会を開催したが、瀬戸内海汽船による「夜景を楽しむ南十字星クルーズ」で、広島港を午後7時に出発し、宮島沖、広島夜景を眺め広島港に帰港する約3時間のクルーズで、和気あいあいと楽しい時を過ごした。その時のスナップ写真を紹介する。
 研究会当初より会の充実・発展のためご尽力・ご活躍され、お亡くなりになった先生も多くみられ、懐かしいお姿に思い出も深い。

パネルディスカッション
右から、司会髙岸直人教授、池田均先生、田畑四郎先生、久津間智允先生、赤堀治先生、奥平信義先生、安楽岩嗣先生、三笠元彦先生、尾崎二郎先生

左から安達長夫先生、貞広哲郎先生、福田宏明先生、遠藤寿男先生、河路渡先生、伊藤信之先生、髙岸憲二先生

左から福田公孝先生、伊藤信之先生、三笠元彦先生、(氏名確認中)

左から山本龍二先生、宮崎淳弘教授(鹿児島大学)、藤本憲二教授(信州大学)