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肩関節学会40年史

第38回日本肩関節学会を開催するにあたって

会長
柴田陽三

 第38回日本肩関節学会を平成23年10月7日(金)、8日(土)の2日間、福岡国際会議場にて開催させて頂きます。肩関節外科に関し、世界で最も歴史のある本学会を開催させていただくことは大変名誉なことで光栄に存じます。
 主題として「広範囲腱板断裂」と「投球障害」を取り上げさせて頂きました。肩腱板断裂修復術は肩関節手術の中で、最も多く行われる手術であります。近年、その多くが鏡視下に修復が行われる様になり、中断裂以下では良好な成績が得られております。しかし、今なお、「広範囲腱板断裂」においては限られたゴール設定にならざるを得ない状態です。その定義や治療法について会員の皆様の貴重な研究結果をご発表頂き、活発な討議をお願いしたいと存じます。本邦で行われているスポーツの中で野球は最も親しまれているスポーツの一つであります。野球に伴う障害として、骨端線閉鎖前の少年野球における投球障害、閉鎖後の青年期以降の障害に分けられます。またレクリエーションレベル、競技レベル、プロの違いによって治療アプローチが異なる場合があります。これら投球障害の予防、故障からのカムバックプログラム、最終的な手術治療、適応とその時期など多くの問題点が少しでも明らかになり、肩関節外科医の中で共通の治療指針が生まれればと期待しております。
 こうした試みから演題募集を行っておりましたところ、301題という多くの演題を頂戴する事が出来ました。この場をお借りして御礼申し上げます。
 特別講演としてJournal of Shoulder and Elbow SurgeryのChief EditorであるWilliam Mallon先生、ランチョンセミナーにPresident of Deajeon Hankook General HospitalのKwang-Jin Rhee先生、Catholic University of TaeguのChang-Hyuk Choi教授、東北大学整形外科の井樋栄二教授、日本肩関節学会の副会長である同愛記念病院整形外科の中川照彦先生、元プロ野球ホークスの投手で現在福岡大学スポーツ科学部講師の渡邊正和先生、モーニングセミナーとして磐城共立病院整形外科の相澤利武先生、北新病院整形外科の末永直樹先生、大阪警察病院整形外科の林田賢治先生をお願いしております。
 またこの度、三笠元彦名誉会員のご尽力により第38回日本肩関節学会学術集会参加者にCD-ROM版肩関節文献集をお配り出来る予定です。本文献集は非売品で原則として日本肩関節学会学術集会参加者のみが入手する事ができる貴重な資料です。どうぞふるってご参加くださいますようお願い申し上げます。

第38回日本肩関節学会 会長の開催挨拶

Journal of Shoulder and Elbow SurgeryのChief editor; Dr William Mallonによる特別講演
左:髙岸憲二教授(群馬大学) 中央:Dr William Mallon 右:第38回会長 柴田陽三
Dr Mallonはノールカロライナ州 Durham にあるTriangle Orthopaedic Associates に勤務
多忙な日々の中でJSESのChief editorとして活躍 The Journal of Shoulder and Elbow Surgery;
History and Current Status. とApproaches to Massive Rotator Cuff Tears.の二つを講演

Professor Kwang Jin Rheeによる特別講演
左:東北大学教授 井樋栄二先生、中央:Prof Kwang Jin Rhee, 右:第38回会長 柴田陽三
Prof Kwang Jin RheeはPresident of Korean Orthopaedic Association (KOA) ならびにPresident of Daejeon Hankook General
Hospitalを任じており、韓国の肩肘関節外科学のパイオニアである。
Past, current and future of the surgery of rotator cuff disease in Koreaを講演。