日本肩関節学会50年史

第25回日本肩関節学会の開催にあたって

会長
藤巻悦夫

くる平成10年10月29日(木)・30日(金)の両日にわたり、発足以来四半世紀の歴史を刻んだ第25回日本肩関節学会の開催させていただくことは当教室・同門にとりましてこの上ない光栄に存じます。ここにいたるまで各方面から多大なご指導とご支援を贈り厚く御礼申し上げます。

今回は主題として(1)、腱板断裂の病態と治療、(2)、反復性肩関節脱臼の病態と治療、(3)、重度上腕骨近位端骨折の治療を取り上げ、一般演題を含めて140題という多数の応募演題を頂きました。幹事の先生にプログラム委員をお願いして演題の採点をお願いし、また一人一演題、一施設3演題に絞らせていただき採否を決定させていただきました。その結果に従って115題を採用し、ポスター発表に適当な内容の演題に関してはポスター会場を設け、一会場の原則は維持させていただきました。以上の主題として応募演題の中からシンポジウムとして1.「腱板断裂の病態と治療」2.「反復性肩関節脱臼の病態」の2題を選ばせていただき、この方面に造詣の深い先生方に座長をお願いいたしました。

また海外からは3名の演者を招き、米国からRobert H. Cofield先生に“Ratator cuff tears”、同じく米国からのFelix H. Savoie, III先生には“Arthroscopic reconstruction of the Shoulder”、フランスからGilles Walch先生に“Subluxation and dislocation of the long head of the biceps-Classification, Treatment”の招待講演をお願いしました。この講演は日整会教育研修単位として認可されております。Gilles Walch先生には学会終了後に「エクリス人工肩関節置換術」のワークショップもお願いしてございますので、多数の先生方にご参加いただくご案内申しあげます。

恒例となりました市民公開講座を学会プログラムに組み込むことは物理的に不可能になりましたので、学会1週間前の10月24日(土)に当大学の学園祭の一貫として“肩こりと五十肩”のテーマにて都立大久保病院の三笠元彦先生、昭和大学平泉 裕先生に一般市民に解りやすいご講演をいただきます。

本学会は教室員による手づくりの学会で、いたらぬ点も多いかと存じますが、何卒ご容赦いただき、お気付きの点は何なりとご指導賜りたくお願い申し上げます。会員の皆様のご支援により活発な討論の場として、また会員の懇親と交流を深めるための場として、実り多い学会になりますよう念願いたしており、学会第一日目には「会員懇親会」を企画しております。

多数の会員諸先生のご参加を心からお待ち申し上げております。

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