会長
黒田重史
この度、第32回日本肩関節学会を千葉県にて開催させていただきます。世界で最も伝統ある日本肩関節学会を主催することは身に余る栄誉でございます。当初予定していた10月の日程が他学会と重複したため、例年より早い開催のやむなきに至りました。抄録締切が例年より1ヵ月以上早いにも関わらず160題もの応募をいただきました。往年の肩関節学会に倣って十分な討論時間を設けるために、肩関節学会幹事33名及び会長の委嘱した抄録審査委員27名計60名にて厳正な抄録審査の上、発表演題は126題に絞らせていただきました。
今回は主題としてNeer分類にない上腕骨近位端骨折を取り上げました。Codmanがその可能性を示晙した14型の骨折型の中で、Neer分類にない7つの骨折型を第32、33、34回と3回の日本肩関節学会において募集し、第34回日本肩関節学会後に上腕骨近位端骨折の新分類法を策定し、世界に提示する夢を見ております。今一つの主題として、非外傷性肩関節不安定症を取り上げます。1971年の遠藤らの報告以来、主に本邦で研究が進められてきた病態です。しかし病態分類もまた診断基準についても現時点では合意が得られておりません。これらの病態の位置付け、発症原因、診断基準および治療法の議論が深まる事を期待しております。
特別講演は我が師である信原克哉先生にお願い致しました。「日本肩関節学会のあゆみと私」と題した講演で、先生の過ぎ越し方を示され、後を追う我々に勇気と感動を与えて下さると確信しております。招待講演は、ドイツのTech, University Munich (TUM)のAndreas Imhoff教授に「New Innovation on arthroscopic glenohumeral and AC- joint stabilization- clinical and biomechanical backgraound」を、フィンランドからはORTON HospitalのDr. Martti Vastamӓkiに「Nerve lesions around the shoulder」を、そしてPhilippine Shoulder Society会長のDr. Alex R. Supapoには「Neglected anterior fracture dislocation of the shoulder」を講演していただきます。
本学会では三笠元彦先生のご厚意により、学会参加者には肩関節文献集外国語版CDを無料配布致します。このCDには1828年~2005年までの26,000件に及ぶ全文献が極めて正確に分類収載されております。我々肩に挑戦している者にとってその価値は計り知れません。三笠先生だからこそなしえた偉業に改めて畏敬の念を禁じ得ません。
9月初めの千葉はまだ真夏の気候ですが、ディズニーリゾートに隣接した会場で、ご家族連れでのご参加をお待ちしております。
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第32回日本肩関節学会会場
トーキョーベイホテルトーキュー -
当日受付
千葉大学整形外科の同門である菅谷啓之先生
- ホワイエを利用した機会展示
- メイン会場でのスクリーン表示
- 「上腕骨近位端骨折」パネルディスカッション
- ポスター会場のスクリーン
- ポスター会場
- 特別講演をお願いした信原克哉先生とAlex Supapoフィリッピン肩関節学会長
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髙岸賞親授式
基礎部門:三幡輝久先生・高槻赤十字病院 -
髙岸賞親授式
髙岸賞臨床部門:西須 孝先生・千葉県こども病院
- 三笠元彦先生業績に対し 学会長より感謝状授与
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全員懇親会の様子
肩の運動機能研究会参加者も合流
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フィンランドからお招きした
Dr. Martti Vastamäki教授 -
ドイツからお招きした
Tech. University Munich(TUM)のAndreas Imhoff教授
- 次期会長の伊藤博元教授から石毛学会事務局長と学会準備を運営された事務局長ご家族へのねぎらいの言葉