日本肩関節学会50年史

第33回日本肩関節学会の開催にあたって

会長
伊藤博元

第33回日本肩関節学会を、東京都文京区の文京シビックホールにて開催させて頂きます。

世界の肩関節の学会でも最も歴史のあるこの学会を主催させて頂くことは、日本医科大学整形外科学教室にとりましても大変な名誉であり、各位に心より御礼申し上げます。今回は史上最多の190題もの演題の応募を頂きました。幹事の方々に厳正な抄録の査読審査を行って頂き、その結果に沿って講演とポスターにて169題の演題を採用させて頂きました。多くの演題の応募に深謝し、併せて活発なご討論をお願い致します。

主題として、上腕骨近位端部骨折と腱板断裂(基礎から臨床まで)を取り上げました。
上腕骨近位端部骨折は前学会(黒田会長)の主題でもありましたが、前会長、次期玉井会長とも相談して肩関節学会の3回連続の主題として、世界にその成果を発信出来ればと考えております。今回は全幹事に依頼して、期間を限定した上で我が国での上腕骨近位端部骨折の頻度、現実の治療法、予後など肩関節の専門家がどのように治療に取り組んでいるか、問題点などが抽出できればと考えて、マルチセンタースタディーを試行しました。14名の幹事かた計568症例を提供して頂き、このデータベースの解析結果と応募頂いた演題からパネルを組みました。現時点での肩関節専門家集団における、上腕骨近位端部骨折治療の現実と方向性を示せればと思っております。腱板断裂には大変多くの演題の応募を頂き、パネル討論として14題、関連演題も13題、ポスターなど、まさに基礎から臨床までを充分討論して頂きたいと思っております。

特別講演は、遠藤寿男先生に「Loose Shoulder」をお願い致しました。この研究を世界に先駆けて開始した動機、病態、疫学、動作分析、治療までをご講演頂くことになっております。招待講演はHospital for Special SurgeryのE V Craig教授に「Surgical Repair of the Rotator Cuff」をご講演頂きます。
また、市民公開講座として信原克哉先生に「明智光秀と旅」をご講演頂きます。昨年上梓されたご著書に沿って、織田信長を本能寺で討った後、山崎の合戦で羽柴秀吉に敗れて死んだとされる戦国武将・明智光秀のルーツからゆかりの地を先生ご自身の足で訪ね歩いた歴史探訪と、本能寺の変の謀反人の諸説せまる内容のお話しになるのではないかと思っております。

この抄録号からA4サイズの学会誌となりましたが、抄録のレイアウト、プログラムの版組など多少の工夫を試みております。会場の文京シビックホールは公共施設ですので、使用上の問題点もあり多々ご不便を掛けると思いますが、一方文京区は今に残る大名庭園、寺社仏閣などの江戸情緒、さらに文人の街・本郷や、多くの記念館などが点在しており明治の風情もお楽しみ頂けるのではないかと思っております。会場内の移動などご不便は何卒お許し頂き、皆様のご協力で充実した学会にして頂きますよう宜敷くお願い申し上げます。

  • 第33回日本肩関節学会開催のお知らせ
  • 閉会の辞 伊藤博元先生
  • 学会会場(文京シビックセンター)入口風景
  • 学会第一会場
    文京シビックセンター・ホール
  • 「ポスター会場 第2日・第3会場
  • ポスター会場 第2日・第4会場
  • 招待講演 Craig教授
  • 招待講演・質疑応答 Craig教授
  • 感謝状贈呈
  • Craig教授挨拶
  • 招待講演終了後 Craig教授とお嬢様
  • 招待講演終了後
    Craig教授と福田宏明教授
  • 市民公開講座 信原克哉先生
  • 市民公開講座講演中 信原克哉先生
  • 市民公開講座終了後 信原克哉先生
  • 信原克哉先生へ花束贈呈

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