会長
米田 稔
第35回日本肩関節学会学術集会を平成20年11月28日(金)と29日(土)の2日間、大阪国際会議場(グランキューブ大阪)において開催させていただきます。世界の肩関節の学会でも最も歴史のあるこの学会を主催させていただくことは大変な名誉であり光栄に存じます。
主題には、肩の痛みを主訴とした疾患のなかでも診断、治療共に非常に難しい「腱板疎部損傷」と「腱板不全断裂」を取り上げました。いずれも最近の画像診断技術や関節鏡技術の進歩、さらにスポーツ人口の増加、スポーツ医学の発展によって再び脚光を浴びるようになってきた病態です。両疾患とも我が国がリーダーシップをとってきた病態ですが、今なお十分に解明されたとはいえません。そこで「腱板疎部損傷」の基調講演を信原克哉先生に、また「腱板不全断裂」は福田宏明先生追悼講演として濱田一壽先生にお願いしました。是非、本学会でこの古くて新しい疾患を再訪し、病態、診断、治療について十分討論して頂き、新しい観点からその診療の指針を明らかにしたいと思います。「老練なライオン」と「若きライオン」が活発に議論を戦わしたあの頃の“熱い”肩関節研究会の復活を期待します。
今回、会員の先生方から238演題のご応募を頂きました。これらを1演題あたり5名の幹事の先生に査読して頂き、各演題5点満点の5段階評価を行いました。その結果12点以上の226演題を採用しました(採択率95%)。そのうち口演発表には154題を採用しました(平均点17.1点)。海外からの応募6題は査読対象外とし採択しました。
今年からついに一会場遵守の縛りがなくなりました。そのため、ランチョンセミナーが行えるようになり、Gilles Walch, Ettore Taverna, Jefferey L Halbrecht, Hans R Bloch先生らに教育講演をお願いしました。韓国のKwang-Jin Rhee, Yong-Girl Rhee両先生にはモーニングセミナーをお願いしました。今年は日韓交換留学制度として韓国側から2名のフェローが来られます。また、新たに日本肩関節学会と韓国肩肘学会の相互発表制度が加わります。隣国である韓国との交流・融和がますます加速するものと思われます。学会1日目終了後にはコメディカルとドクター入り乱れての「ワインで語らナイト:投球障害肩バトル」を敢行します。奮ってご参加ください。
今年で5回目となる“肩の運動機能研究会”も例年通り併催で行われます。会長は立花孝先生(信原病院)です。主題には「拘縮肩」、「投球障害肩」、さらに「コメディカルにできる術直後の疼痛管理」が取り上げられています。たくさんのコメディカルの方々の参加を希望します。
さらに併催として、学会の前後に番外で2つのワークショップを企画しました。学会前夜は“Arthroscopy Night”です。腱板断裂と反復脱臼に対する最新の鏡視下手術をマスターするためのワークショップです。それぞれにつき異なったテクニックを二人の講師が実践指導します。代表世話人は林田賢治先生(大阪警察病院)です。一方、学会終了後の夜に行うのが“Fracture Night”です。治療が難しいとされる上腕骨近位端骨折をマスターするためのワークショップです。代表世話人は菅本一臣先生(大阪大学)です。人工骨頭、髄内釘とそれぞれ異なったテクニックを4名のベテラン講師が模型を使って解説指導します。
11月の関西は大変さわやかで素晴らしい季節です。このようにぎっしりつまった内容の濃いプログラムで申し訳ありませんが、出席者の皆様にはディープな浪速(なにわ)を堪能するとともに京都、奈良といった古都の紅葉も思う存分楽しんでいただきたいと思います。多数の先生方のご参加を心よりお待ち申し上げております。
- 第35回日本肩関節学会パンフレット
- 第35回日本肩関節学会外人招宴
- 第1回ICSES準備委員会
- KSES会長、副会長らと (会長招宴にて)
- Spouse program (京大和にて)
- 外人招待客懇親会
- 外人招待講師慰労会(会長の夜の独演会)
- Spouse program (京大和にて)