日本肩関節学会50年史

第44回日本肩関節学会を終えて

会長
菅谷啓之(船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター長)

去る2017年10月6日〜8日までの3日間、東京・品川にて第44回日本肩関節学会を開催させて頂き、無事成功裏に終えることができました。これもひとえに皆様の温かいご支援とご協力のお蔭でございます。ここに厚く御礼申しあげます。周知のとおり、本学会は例年と大きくフォーマットを変えて開催させて頂きました。まず、40名もの海外からの招待講師を招聘し、気鋭の日本人医師を交えて、すべてシンポジウム形式の The 1st Asia-Pacific Shoulder & Elbow Symposium を併催しました。また、第14回肩の運動機能研究会より看護部門を独立させ、第1回肩の看護研究会も併催としました。さらに、例年にない広大なスペースの会場と展示スペースを用意し、海外からの参加者も多く、総計で2,200名の参加者を得ることができました。また、1,000名収容可能な The 1st Asia-Pacific Shoulder & Elbow Symposium の第一会場では、素晴らしいワールドクラスのプログラムと共に、英語の苦手な方でも積極的に聴講および発言できるように同時通訳を用意しました。さらに、日本肩関節学会で、史上初めてアプリを導入し、多くの先生方から便利であったと前向きの評価を頂きました。実際、アプリのダウンロード数も、参加者実数を超える2,331名に達し、アプリ制作会社からも参加者数を超えるダウンロード数は珍しいとのことで、本学会の注目度の高さを物語るものでした。

一方で、大幅なフォーマットの変更のために、抄録集の事後配布をはじめとする混乱を招いてしまったことも事実であります。ここに皆様に深くお詫び申し上げます。先ごろ、理事長・副理事長と前学術集会長・次期学術集会長からなる学術集会検討委員会が日本肩関節学会に新たに設置されました。今後は、学会側と学術集会側の両者が緊密に連絡を取りながら学会企画運営を行ってゆくことで、今回のような混乱を避けることができると思います。

学術集会の国際化は喫緊の課題でありペーパーレス化は時代の流れでもありますし、今回の学術集会は素晴らしかったと多くの方々にお褒めの言葉を頂いたことも事実であります。今回のやや無謀ともいえる試みが、今後の日本肩関節学会と学会員の更なる飛躍と発展のために、多少なりとも役立ったとすれば私の無上の喜びとする所です。皆様、ご協力とご支援、本当にありがとうございました。

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