ご挨拶
日本肩関節学会理事長 池上博泰(東邦大学医学部整形外科学講座教授)
2018年10月より、一般社団法人日本肩関節学会の理事長を拝命いたしました
池上博泰です。正会員数が1500名を越え、40年以上の伝統のある本学会の運営に
たずさわりますこと、身の引き締まる思いがいたします。柴田陽三前理事長の後任
として、誠心誠意、本学会の発展のために尽くす所存でございます。
皆様、どうぞ、よろしくお願いいたします。
日本肩関節学会は1974年に「肩関節研究会」として発足し、その後名称を、
「日本肩関節学会」と変え、2014年からは一般社団法人となり法的にその責任と義務が明確になりました。本学会は
肩関節に関する専門分科会として世界で一番早く設立されました。定款にうたわれている“肩関節医学の進歩普及に貢
献し、もって人類の福祉に寄与する。”という目的を遂行するために皆様とともに努力してまいりたいと存じます。
現在、日本肩関節学会の国際化を進めるために欧州肩肘学会、米国肩肘学会、韓国肩肘学会との交換留学生制度を
施行しております。募集状況は学会ホームページ上に掲載していきますので、会員の皆様には是非ふるって応募を
御願い致します。論文の中でしか知り得なかった著名な肩関節外科医と一緒に手術や討論をすることは素晴らしい経験
となります。さらなる国際化のために、日本肩関節学会学術集会の一般口演のスライドとポスターは英語で作成される
ことが求められ、国際シンポジウムでは口演・討論ともに英語でなされるようになりました。
会員の皆様におかれましては本学術集会でこの英語による発表・議論に積極的に参加していただけたらと思っています。
若手肩関節外科医のために座学による教育研修講演、キャダバーによる人工関節置換術の実技指導を行って
まいりました。国内の優れた肩関節外科医より細かなコツについて直接手術指導を受けることができ参加者より好評価
を頂いています。これらの次世代肩関節外科医を育てる機会もますます充実させて行きたいと思っています。
2014年4月から使用開始となりましたリバース型人工肩関節が導入されて4年半が経過し、徐々に症例数が増加して
おります。リバース型人工肩関節は本邦で臨床試験を行わないで保険収載された初めての人工関節です。医師側が作成
した厳しいガイドライン、講習会とドライラボの実習受講義務、全症例の登録制度により先行する海外よりも上回る成績をもたらせるものと考えております。当初のガイドラインにもあるとおり、導入後5年経過する2019年3月末には、
ガイドラインや実施医資格など、あらためて見直す予定としております。
本学会の目的である肩関節外科学の進歩普及に貢献して行くためには、代議員の業務は大変重要です。現在11の
常設委員会と一つの特別委員会、二つのワーキンググループが活動しています。これらの委員会は代議員だけでなく
一般会員の皆様にも協力を頂いており、広く意見を取り入れながら活動を行っております。
学会に対する御意見・御要望がございましたら事務局までご一報下さいましたら幸いです。
先達が築かれました本学会の伝統を守りながら、一層の発展を目指していきたいと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
日本肩関節学会 理事・監事
日本肩関節学会における歴代会長と開催地、開催日です。
会長 | 開催地 | 開催日 | |
---|---|---|---|
第1回 | 遠藤寿男 | 徳島市 | 1974年10月18日 |
第2回 | 小田清彦 | 山口市 | 1975年10月29日 |
第3回 | 高岸直人 | 福岡市 | 1976年11月4日 |
第4回 | 土屋弘吉 | 横浜市 | 1977年11月4日 |
第5回 | 宮崎淳弘 | 鹿児島市 | 1978年10月22日 |
第6回 | 信原克哉 | 相生市 | 1979年10月20日 |
第7回 | 河路 渡 | 東京都 | 1980年10月18日 |
第8回 | 安達長夫 | 広島市 | 1981年10月3日 |
第9回 | 山本龍二 | 東京都 | 1982年10月2日 |
第10回 | 鈴木良平 | 長崎市 | 1983年10月1〜2日 |
第11回 | 福田宏明 | 横浜市 | 1984年11月10〜11日 |
第12回 | 松野誠夫 | 札幌市 | 1985年10月5〜6日 |
第13回 | 高岸直人 | 福岡市 | 1986年10月28〜30日 |
第14回 | 三笠元彦 | 東京都 | 1987年10月31〜11月1日 |
第15回 | 桜井 実 | 仙台市 | 1988年10月14〜15日 |
第16回 | 松崎昭夫 | 福岡市 | 1989年11月23〜24日 |
第17回 | 加藤文雄 | 東京都 | 1990年10月12〜13日 |
第18回 | 水野耕作 | 神戸市 | 1991年11月15〜16日 |
第19回 | 田畑四郎 | 磐城市 | 1992年10月2〜3日 |
第20回 | 伊藤信之 | 長崎市 | 1993年10月1〜2日 |
第21回 | 久津間智允 | 甲府市 | 1994年10月14〜15日 |
第22回 | 尾崎二郎 | 奈良市 | 1995年10月21〜22日 |
第23回 | 佐野精司 | 大宮市 | 1996年10月31〜11月1日 |
第24回 | 平澤泰介 | 京都市 | 1997年10月31〜11月1日 |
第25回 | 藤巻悦夫 | 東京都 | 1998年10月29日〜30日 |
第26回 | 小川清久 | 大宮市 | 1999年11月18〜19日 |
第27回 | 高木克公 | 熊本市 | 2000年11月10〜11日 |
第28回 | 森岡 健 | 横浜市 | 2001年9月15〜16日 |
第29回 | 福田公孝 | 札幌市 | 2002年9月20〜21日 |
第30回 | 高岸憲二 | 前橋市 | 2003年9月12〜13日 |
第31回 | 筒井廣明 | 横浜市 | 2004年10月8〜9日 |
第32回 | 黒田重史 | 浦安市 | 2005年9月2〜3日 |
第33回 | 伊藤博元 | 東京都 | 2006年9月29日〜30日 |
第34回 | 玉井和哉 | 宇都宮市 | 2007年10月12日〜13日 |
第35回 | 米田 稔 | 大阪市 | 2008年11月28日〜29日 |
第36回 | 荻野利彦 | 山形市 | 2009年10月9日〜10日 |
第37回 | 熊谷 純 | 仙台市 | 2010年10月8日〜9日 |
第38回 | 柴田陽三 | 福岡市 | 2011年10月7日〜9日 |
第39回 | 中川照彦 | 東京都 | 2012年10月5日〜6日 |
第40回 | 黒川正夫 | 京都市 | 2013年9月27日~9月28日 |
第41回 | 森澤佳三 | 佐賀市 | 2014年10月24日~10月25日 |
第42回 | 井樋栄二 | 仙台市 | 2015年10月9日~10月10日 |
第43回 | 望月 由 | 広島市 | 2016年10月21日~10月22日 |
第44回 | 菅谷啓之 | 東京都 | 2017年10月6日~10月8日 |
第45回 | 菅本一臣 | 大阪府 | 2018年10月19日~20日 |
第46回 | 畑 幸彦 | 長野市 | 2019年10月25日~26日 |
第47回 | 末永直樹 | 札幌市 | 2020年10月9日~10日 |
第48回 | 岩堀裕介 | 名古屋市 | 2021年10月29日~30日 |
第49回 | 高瀬勝己 | 横浜市 | 2022年10月7日~8日(予定) |
第50回 | 池上博泰 | 東京 | 2023年10月13日~14日(予定) |
第51回 | 今井晋二 | 京都市 | 2024年10月25日~26日(予定) |
第1・2回は中部日本整災会に併設して行われ、第3回より全国的規模となり、
第13回は第3回国際肩関節学会(ICSS)とCombined Meetingの形で開催された。