2023年3月6日からの4週間、長谷川彰彦先生とともに韓国の各施設を訪問しました。濃密な4週間で、全てをお伝えできませんが、少しでも学会員の皆様と共有したいと思います。私は前半の2週間について報告いたします。
3月6日、関空から釜山に到着し、その後ウルサンに移動し、夜はKOAウルサン支部の会に参加しました。翌日、Sang Hun Ko教授の手術を見学しました。肩甲上神経、腋窩神経、外側胸筋神経をそれぞれブロックし、ARCR 5件をすべて異なる修復方法で行っていたことが印象的でした。3月8日はテグに移動し、Chang-Hyuk Choi教授の手術を見学しました。ARCRは斜角筋間ブロックによる覚醒下手術で行われ、2件あったRSAはどちらも日本に導入されていない機種でした。3月9日にはチョナンに移動し、Jun Bum Kim教授を訪問しました。昼過ぎまでの限られた時間でしたが、手術室1つでARCR 2件と脱臼1件を非常に綺麗に行っており、手術の合間には症例の検討なども行いました。その後、午後からテジョンへ移動し、周辺のKSESメンバーとの夕食会、翌日はJung-Hun Ji教授の手術見学を行いました。夕方からはテジョン地域の月例会で、Kwan Jin Rhee教授も参加される中、我々も発表の場をいただきました。
週末の3月11日はコンジュを観光し、韓国の歴史ある美しい史跡を巡りました。翌日はクァンジュに移動し、訪問先のMyung Sun Kim教授より熱烈な歓迎をいただきました。3月13日はKim教授の手術見学と研究室見学を行い、3月14日はYoung Lae Moon教授を訪問しました。Moon教授は1日6件の手術と外来を同時に行っており、そのスピードとエネルギーには圧倒されました。3月15日にはソウル近郊のトンタンのYon-Sik Yoo教授を訪問し、LHBとdermal allograftを用いたARCRや、iliac allograftを用いた鏡視下制動術などオリジナリティ溢れる手術を見学しました。3月16日にはSang-Jin Shin教授のもとで7件の手術を見学し、手術の合間にはmini lectureもあり、濃厚な1日でした。3月17日にはJae Chul Yoo教授を訪問し5件の手術見学をしましたが、特に肩甲下筋腱修復に対する考え方は非常に勉強になりました。週末はプサンに移動し、KSESメンバーとの夜の会とプサン観光を楽しみました。
簡単に2週間を振り返りましたが、韓国では日本で想像できない程スピーディな手術と運営が行われており、様々な手技の工夫や新しい製品を駆使し、論文化にむけた臨床研究が行われており、沢山の刺激を受けました。また韓国の先生方のホスピタリティは想像をはるかに超え、楽しい時間を過ごさせていただきました。韓国と日本の友好関係が今後も継続する事を願い、また私もその一助になれるよう交友関係を維持、発展させていきたいと思っています。このような機会を与えていただいた日本肩関節学会の皆様、迎え入れてくれたKSESの皆様に深謝申し上げます。また4週間をともに過ごした長谷川彰彦先生、不在中ご迷惑をかけた医局の先生方に心より感謝申し上げます。
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